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裏切りのワンダーボーイ

それは耳を疑うニュースだった。
マイケル・オーウェン、マンチェスター・Uへ移籍!!

オーウェンといえば1998年フランスW杯のアルゼンチン戦で、
センターサークルからドリブルを開始して、
アジャラを体の揺さぶりだけで置き去りにし、
ゴール上段に豪快に突き刺して、
一夜にして世界に名を知らしめた"元祖ワンダーボーイ"である。
その後、2001年にバロンドールを取り、
2004年の夏に「チャンピオンズ・リーグのタイトルが争えるようなビッグクラブでプレーしたい」
などとほざいて、第一次銀河系軍団の一員になった。
その後、出番に恵まれずニューカッスル・ユナイテッドへ移籍し、
プレミアに出戻りするも、大怪我を負いもはや過去の選手となっていた。

そして、ニューカッスルが今シーズンの成績により、
新シーズンは2部に降格する事が決まると、早々とプレミアでのプレーの希望を宣言する。
いくつかのチームが候補先にあがったが、よりによってユナイテッドに移籍するとは。。

リバプールとユナイテッドのライバル関係はスペインのマドリーとバルサのそれに匹敵する。
リバプールの選手は幼少期より「ユナイテッドは敵だ」と教えられ育つのだ。
オーウェンはリバプールのアカデミーで育ち、リバプールで得点王を二度獲得している。
にもかかわらず、マドリーへの移籍の際にKOPを落胆させるだけでは飽き足らず、
ユナイテッドへの移籍を決意するなんて、正気の沙汰じゃない、狂ってる。
あろう事か「チャンスをくれたファーガソンに恩を返したい」とのたもうた。

世の中には不文律がある。
誰もが口を閉ざすが、決して破ってはいけない不文律がある。
ライバルチームへの移籍もその一つだ。

イタリアだったら、ミラン-インテル、ローマ-ラツィオ、ユベントス-フィオレンティーナ、
スペインだったら、マドリー-バルサ、マドリー-アトレティコ、セビージャ-ベティス、
イングランドだったら、リバプール-エバートン、リバプール-マンチェスター・ユナイテッド、
アーセナル-トッテナム、これらのチーム間による移籍は御法度なのである。
直接の移籍は勿論の事、別のチームを間に挟んでの間接的な移籍も許されない。

カカがインテルに移籍するだろうか、ネスタがローマに移籍するだろうか。
シャビやイニエスタが白いユニフォームを着る日が訪れるだろうか。
クラブのレコード記録を持つ、ティエリ・アンリがトッテナムに移籍するだろうか。
フェルナンド・トーレスがいつかスペインに帰るとき、
行き先は同じマドリードでもアトレティコ以外に考えられない。
ルーニーはリバプール戦を前に「リバプールを憎んでいる」と発言した。
ジェラードはエバートン戦で何度も退場になっている。
キャラガーは幼少期はエバートンのファンだったが、エバートンのためにプレーするだろうか。

答えは全て「ノー」だ。

マドリーで出番に恵まれず、プレミア復帰を決意したのは分かる。
ベニテスがオーウェンをあまり評価してなく、リバプールへの復帰が叶わなかったのは分かる。
ただ、よりにもよってマンチェスター・ユナイテッドのユニフォームに袖を通すなんて…。
来シーズン、オーウェンはどの面下げてアンフィールドにやってくるのだろうか。
それもユナイテッドのユニフォームを着て。
あの有名な「This is Anfield」に触る事は絶対に許されない。

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